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毛髪の構造と働き
 毛は、二つの部分に区別することができます。
ひとつは皮膚(頭皮)から表面に出て外的刺激や摩擦からの保護、体温維持や触覚・アンテナの役割を担っているもので、通常、私たちはこの部分を毛や毛髪として認識しています。
これが毛幹と呼ばれる部分です。

 もうひとつは皮膚の下に潜っている部分で、これを毛根と呼びます。
毛根は毛包という袋に包まれ、毛包に接している皮脂腺からは外的刺激から頭皮を守る皮脂が分泌されます。毛根は皮膚と毛をつなぐ立毛筋と結びついていますが、この筋肉はまわりが寒くなると収縮して毛を立て毛孔の入口をふさぎ、体熱の放散を防ぎます。

 また、毛根の根元の部分の毛球部内には毛乳頭があり、隣接する毛母細胞に栄養素を送り、老廃物を受け取る役目を担っています。毛母細胞は毛乳頭の助けによって細胞分裂・増殖を繰り返し毛髪が形成されていきます。
毛髪の色調は毛球部で形成されるメラニン色素量によって決まります。これがヘアサイクルの成長期にあたります。
毛髪のサイクル
 毛髪は絶えず成長を続け、一定の長さになると成長が止まり(退行期)、死んで抜け落ちます(休止期)。抜け落ちると、そこからまた新しい毛が生えてきます(成長期)。つまり「伸びる→休む→抜ける」というのが毛髪のサイクルです。ただし、このサイクルは毛が生えている部位によって違います。最も長いのは頭髪で、1ヶ月につき10〜12mmずつ伸び、3〜4年ほど生き続けます。頭髪が長くなるのは、このためです。
一方、眉毛やまつ毛は、3〜4ヶ月で生え替わるため、いつまでたっても短いままです。
このように私たちの毛は、一本一本がこのサイクルに従って絶えず生まれ変わっているのです。
 
生え替わりの仕組み
 毛の生え替わりは、毛根の一番下にある組織毛母基の毛母細胞が分裂を繰り返すことによって行われます。毛の成長がある程度まで進むと、毛母基では毛母細胞の分裂ができなくなり、その後成長が止まって抜け落ちます。これは毛乳頭や皮脂腺に存在する[5α-リダクターゼ]により産生される[DHT(5α-デヒドロテストステロン)](→脱毛の原因・予防【予防】)がタンパク質合成を抑制するために起こります。休止期が終わると、毛母基では再び毛母細胞の分裂が始まり、毛乳頭から養分を得て新しい毛が作られます。

 古い毛が抜け落ちても、毛母基で新たな毛母細胞分裂が行われないようになると、毛の本数は次第に少なくなりハゲの原因となります。また、年齢を重ねて毛母基に栄養が回らなくなると毛乳頭でのメラニン色素を作る力が弱まり、毛の色が落ちて白髪になります。この時、毛の中のメラニンがあった毛乳頭部分には、隙間ができて空気が入り込みます。白髪になると毛が細くなり縮れてくるのはこのためです。
 
 
 
 
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